CT-Armはワイヤ干渉駆動型多関節3次元アームです。モータは全てベースに配置されているため、関節部は軽量であることができ、より少ないエネルギーでアームを動かすことができます。複数の関節がついているため、狭い空間をナビゲートすることもできます。

CT-Armのコンセプトが広瀬教授によって生みだされた時には、その改良版が数十年後に東京電力福島第一原発で活躍することになるとは思ってもいませんでした。

2011年の福島原発事故で原子炉建屋は壊滅的な損傷を受けました。1号機建屋はデブリの問題で内部の状況把握もままならない状況が続いています。損傷した構造物を取り除くとそれが建屋内に残っている使用済み核燃料の上に落下する恐れがあるためです。

デブリの詳細な3Dマップを作成することが必要ですが、高い放射線レベルのため建屋内部に人が入ることができません。そこでCT-Armの出番です。CT-Armは2016年11月、清水建設(株)と共同で、原子炉建屋のデブリの中に入り、歪んだ金属フレーム間を移動し、様々な角度から高解像度の静止画や動画を撮影しました 。

 

 

CT-Armが収集した貴重な情報を元に、原子炉建屋内の詳細な3Dモデルが作製されました。この情報により、安全かつ安定した方法でデブリの除去と原子炉建屋の解体を進めるための道を切り開くことが可能になりました。